1/43 サイズ F1ミニカー
ミニチャンプスオニクス) 
ウィリアムズ・ルノー FW16
Part III (ラスト)

FW16の2社・3タイプの見比べページのラストです。
前回の PartIIはPartIに比べてかなり軽めになりましたが、
PartIIIはサイドポンツーンの絞り込み(っていうかエグリ込み?)という1つのポイントに絞っているけど、PartIIよりは写真多くなると思います。



↑この部分ですね。

そもそもこのサイドポンツーンの後ろ側、さらにその下側を絞り込んだデザインというのは
(公式な予選やレースを走ったマシンという意味では)1993年シーズンのマシンから取り入れられたデザインです。
当時のウィリアムズ FW15C と マクラーレン MP4/8 に開幕時から採用されていました。
同時に2チームがなぜ?
と当時を観ていた人以外では疑問に思うかもしれませんね。普通は1チームが始めて、他が真似する構図ですから。
その前年(1992)をとんでもないスピードで圧勝したFW14Bがありました。
そのFW14Bは1991年マシンであるFW14に、
アクティブサスやトラクションコントロール等のハイテクを搭載しただけのもの。
外観もFW14にフロントサスペンションのアクティブサスの油圧制御部分だけが突起していたものの、
FW14BはほとんどFW14と同じでした。
だからサイドポンツーンの絞り込みはありませんでしたね。
このFW14Bが余りにも戦績が良すぎた為に、1992シーズン中に投入する予定だったFW15は1992年は
翌年へ温存するべくテストで走行を重ねてデータ収集をしました。
そしてほぼそのままの外観・形状で1993年のFW15Cとなります。
そのFW15のサイドポンツーンの後ろ側が綺麗なグラデーションになっていました。
雑誌やTV中継(1992年の中継番組でもテストで温存している走行映像が流れたように思います)で
見た時は「なんだこれ?」と思ったものです。
実際は絞り込んでいたから陰影でグラデーションに自然になっていたのですね。
マクラーレンはそのテストの時のデザインを真似たのでしょう。
そんな経緯があって1993年、さらにその年を制して翌1994年のFW16は更に絞り込んだデザインでした。
ですから、この時代のこのマシンの特徴でもあって、まだ斬新なデザインだったのです。
僕も好きな領域の1つでした。


ではいってみましょう。

せっかく長々とここまで語ったのですから、1993年のウィリアムズとマクラーレン画像も貼ってみます。



コレです。このグラデーション。
白一色のサイドポンツーンが、陰影だけで綺麗にグラデーションになっていたので興味をもったものです。



それまではこのサイドの側面は壁のように直立しているのが当たり前でしたから、この面全体で軽くエグっているようなものですね。
加えてさらに下半分からさらにもう一段階、エグって絞り込んでいるわけですね。
つまり、この部分は1993年のFW15Cのミニカー(ミニチャンプス)で全然再現できていないことになります。
オニクス製の方はもってないのでわかりません(^^;;



マクラーレン MP4/8 もうこうして陰影ができているので、下側をエグっているのがわかります。
もっと分かりやすいのがマルボロカラーではなく、ランボルギーニV12エンジンをテストする為に搭載した真っ白のMP4/8も貼ってみます。



よりわかりやすいですね。
短いフォードV8エンジンではなく長いランボルギーニV12エンジンなので、マシンの全長(特に後ろ半分)がとんでもないことになっていますけど。



しかしこうやって見ると、ウィリアムズFW15とはエグリ具合が比べ物にならないほど大人しいのもわかりますね。
ただしウィリアムズの2段階の曲面に比べて、直線的な処理のマクラーレンは再現が簡単だったようで、ミニカーでもきっちり再現されています。
余談ですが、2016年までの最新マシンでは当たり前の吊り下げ式のフロントウイング&ノーズより、この頃のローノーズの方が好みです。

さて、本題のFW16のミニカーでのエグリ込みいってみましょう。

まずは旧版ミニチャンプスから



ハッキリ言って、FW15程もエグリ込めていません。
それ以前にエグってないです。
『平面が少し内側に傾いている』だけです。
この旧版ミニチャンプスのFW16サイドポンツーンは、僕の視点では落第点しかあげられない出来です。
このマシンのセクシーさが全くありません。ノーズ周りも不満だったのに。どこを評価すればいいのか。
旧版のFW16は実はFW15にさえなってない…と言ってしまいたい。
逆V字のリアウイングがなければ、FW16すら名乗ってはいけないレベルではないかと思いますよ。
所持していませんがおそらくは、1/18サイズでも同じような処理なんだろうと思います。

続いては新型ミニチャンプスのサイドポンツーンを





旧版から考えると、比較にならない程進歩しましたね。
素晴らしい。
でもFW15にようやく近づいたかな?といったところ。
エグリ込みの形状も合っているとはちょっと言えませんしね。
なにかエグり込みに対する誤解というか解釈違いがある気がします。

それでは残ったオニクスのFW16いってみます





ほとんど文句つけられません。
1/43サイズのFW16でこれ以上のエグリ込みの良さが再現されているミニカーは無いでしょう。

ただしTAMEOや、BBRのキットモデルは別ですけどね。
あれはとんでもなく素晴らしい再現度ですけれど…自分であの小さいのを作る技量が求められるので私には無理。、

このオニクスはもう1カット載せる前に、実車のエグリ込み写真も載せてみますね。



GPXのをスキャンしたヤツだったと思いますが、これを見るとオニクスでの、まず最初の浅いエグリ込み形状が実車だと一番最初に陰になるので、分かりやすいですね。
(新型ミニチャンプスのはこのエグリ込みしかしていないんですよね、そして一気にそれだけで深くエグっちゃってる)
画像に関してはスキャンしたのが20年程前なので下手クソなのはお許しをm(_ _)m
こういうカットだとモノコックからノーズ先端までの、ロスマンズの白と紺色の面積比も、新型ミニチャンプスが一番バランスがとれているのも確認できますね。



同じくGPXのです。シェイクダウン時のものなので、まだモノコック(ステアリング周辺)のロスマンズマークがレースで使用されたものと違ってマークのみ。
文字がなくて、マークだけな分大きいのが特徴ですね。
でもちょっと見づらいなぁ。
上のカットの方が結局わかりやすいかな。

今度は後部の下半分のエグリ込みにいってみましょう。



うーん…水煙で見づらいか…
ではこっちで



後方を走るシューマッハにピントが合っていますが、端っこにしっかりエグリ具合がわかる部分が写っていますね。
FW15に比べて、過激なほどエグっているのがわかりやすい写真です。

ではオニクスの写真をもう1つ貼ってみましょう。



うっとりしてしまう程の再現度です。
このページで最初に貼ったのをもう1度貼ってみましょう。



やっぱりほとんど完璧と言ってしまいたい!
素晴らしい!
どう重箱の隅をつつくように文句を言おうにも言いよう無い、って言ってもいいですよね?

オニクス最高!

旧版ミニチャンプスとこのオニクスの2タイプしかなかった時代は、私は迷うことなくこのオニクス製を気に入って愛していました(←いきすぎ)
オニクスはサイドポンツーンに関しては、このエグリ込みが完璧なだけでなく、なで肩ではない点(フロントビューやサイドビューより)、
そして上面の前から後ろに向けての上がって下がっていくライン(サイドビューより)等を考慮してもわかるように完璧なんです。
他の部分では(新旧ミニチャンプスに比べて)突っ込みどころ満載の出来ですが(笑)



ミニチャンプスからは形状で2タイプ、デカールの違いを入れて3タイプ
そしてオニクスの1タイプ
私の持っている1/43のFW16の4タイプを見比べて楽しんでみました。
大袈裟ではなくあの5月1日から1週間くらいは何も手につかない程抜け殻になってしまったあの頃…。
大好きだったセナを天に連れて行ってしまった悲しいマシンFW16ですが、それでも好きなマシンなので
このミニカーサイトとしては今までで一番たくさんの労力を割いて詳細に見比べてみました。

ご覧の皆さん、楽しんでいただけましたでしょうか?

2017年1月の現時点ではまだ新シーズンのニューマシンも見ていませんから、ミニチャンプスの新作を今年買うかどうかは断言できません。
ブラゴのライコネン号は買うと思うんですけど。

ライコネンのマシンやベッテルのマシンは、かなり写真を撮って色々見比べるページを作ったものの、
まだミニカーがそこまでリアルではない時代の、もう一人僕のお気に入りドライバーであるミカ・ハッキネン。
彼のミニカーでは詳細ページ作ったことがありませんね。
MP4/13はオレンジミニカーがでないままでしたが、今の技術でオレンジのMP4/13がでたらどうなるでしょうね?

今回のFW16で一番気に入ったミニカーはどれか?
と聞かれると全体のバランスが良いので、最新型のレジン製のミニチャンプスFW16というのが私の答えです。
でもやっぱりサイドポンツーンのエグリ具合やサイドポンツーン全体が素晴らしい出来で、セクシーに感じること、
さらに白い帯部分も含めて気合いを入れて20年以上前の私自身が、デカールをそれなりに丁寧に貼り変えた思い入れも大きいので、
甲乙付けがたいくらいオニクス製のFW16も好きというのも正直な気持ちです。
古いダイキャスト製のミニチャンプスFW16はタバコロゴの有無に関わらず、好みのポイントがあるわけでもないので好きではないですね。

究極の1台は、新型のミニチャンプスに、オニクスのサイドポンツーンが合体したものでしょう(笑)
ただしメーカーが違う時点でいくら待ってもそんなモデルがでないことは明らかですが。

しかしながら、ミニカーが好きでチェックしている間にこれだけ進化した1台が出てきてくれたことはとても嬉しいです。

ということで、3回に分けたFW16のページはお終いです。
ご覧頂きありがとうございました。