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2015年モデルからマテルではなくブラゴへ権利が移ったフェラーリF1ミニカー

思っていたよりは出来が良かったので、購入してみました。



はい、値札もそのままです(笑)

ミニチャンプスはプラスチックのディスプレイケースのまま。
内側に台紙があって、その台紙のバージョン違いでも売れた時代がありました。

マテルは台紙は無し、その分プラスチックのディスプレイケースを紙の箱に納めていましたね。
そして紙の箱で全部は覆わずにそのままディスプレイすることもできるデザインです。
もちろん紙の箱から取り出して、プラスチックケースでディスプレイもできました。

それらに対して、ブラゴは全く違うデザインです。
そりゃ1万円、ミニチャンプスはもう1万円も突破している(海外はそこまで高騰してない)のと、
1千5百円弱の商品で同じアプローチができるわけありません。
紙の箱+プラスチックのフィルムを上面と前面に組み合わせて、そのままディスプレイ。
という方式の箱です。他に飾る方法がない(笑)

個人的には、いつものようにオリジナル台紙を用意してミニチャンプスのケースに収納
というのも考えたのですが、今回は価格帯も違うしこのケースがコンパクトなので、
そのままでいいかなと思いました。

伝説のすんごい低いクオリティのブラゴ製(昔のです)
もう1度だけ貼っておきます
その後に今回の新しい2015年モデルを見てみようじゃありませんか(笑)



ブラゴ製ミニカーを箱から取り出して、撮影。



ボディの出来は価格を考えると、十分合格といってしまいましょう。
色も素晴らしい!
マテルの2014年モデルは、フェラーリレッドが極端にくすんで見えるくらいでした。
あそこまで暗い色を採用したのが謎だったものです。
対してこのブラゴの2015年モデルはとても明るくて美しい色です。
この色を2014年マテル製にも!って思えるほどの良い色です。
色に関しては合格どころか気に入りました♪
フロントウイングの分厚さと色表現というか塗装は絶句レベルですが(苦笑)

続いて上からのショット



全長が実車に比べてほんの少し短いように思いますが、ボディ部分はなかなかの形状。
前後のタイヤが左右で直結されているのは仕方ないと思います。
飾るためのミニカーではなく、子供がぶうぶう遊びできるようなミニカーの位置づけでしょうから。
ですから、その為のサスアームは目をつぶります。

ただし!
前後のウイングは2015年のレッドブルモデルに比べると雑な感じが強いのですが…。
両端の白い斑点のようなものが酷い。
白い塗料をつけた筆でチョコっと垂らしておいた程度(爆笑)
これでパーツを白くしたとされてもねぇ。
この部分の酷さは価格が安くても目立ちます(笑)
っていうか…
黒い成形色に白や赤を塗るより、白い成形色に赤を塗るので良かったのでは?
この黒い表現はいらないです。



横から。
これもなかなかだと思います。

子供用の為だと思うのですが、フロントウイングがボキっと折れたり、ポロっととれないように
支柱の間を埋めて、さらにネジでとめてるんですよね。
そのねじ穴の突起が横からでも見えるのがミニカーとしてはちょっと厳しいかもしれません。
子供用ミニカーなんでここは我慢ですかね(^^;;





前方斜め上からでもねじ穴が見えるのですが、ここはブラゴ箱だとあまり目立たない(角度的にまず見えない)ので、それでなんとかしのぎましょう。
↑これもミニチャンプスケースに移さない理由の1つ
フロントウイングやノーズ周りが映ったので、少しアングルを変えて…



やっぱりウイングの両端前側の白い斑点塗装は酷い(涙)
しかし、メインエレメントの曲面&段差を綺麗にタンポ印刷している点は評価できます。
デカールのような細かい表現ではないけれど、経年で黄ばんだりしないのがタンポ印刷の利点ですよね。
そしてフロントタイヤは適正な大きさです。
2014年のマテル製のように前後のタイヤが同じ幅なんて、酷い事はもうないので安心。

それにしても、モノコック〜ノーズまでのラインはとても忠実に再現されていてとても美しいです。
素晴らしい!

ついでに価格が価格とはいえ、かなり厳しい部分をまとめてしまいましょう(滝汗)



このパーツ、なかなか分厚い
ただ、ただですよ
マテル製もこういうパーツはかなり分厚かったので、これは問題ないかと。
ミニチャンプスならこういうパーツがかなり薄くなっているのですが、
マテルにもできてないことをブラゴに求めるのは無理でしょうから。
ミニチャンプス>>>>マテル=ブラゴ
というところかな。
では厳しい部分の総本山、いってみましょう…



そうなんです。
子供用ミニカーなので、耐久性を求めると…
ミラーみたいな握ったらつぐ壊れそうなパーツが一番変わっちゃうんですよね。
1つ上の画像でも写ってるサイドのパーツも分厚い(まぁマテル並にですが)、
そこと隣り合ってるので、ちょっと見栄えがヤバイエリアと言えますね。
あと(ドライバーレスだけど)ドライバーのヘルメットのすぐに上の部分にあたる
インダクションポッドはけっこう雑です(笑)
つまりこのあたりにヤバイパーツが集中していると言えるかも。
いや、フロントウイングもヤバイしなぁ(笑)
でもコスト考えたらまぁ………ヨシとしましょう。
これがイヤとなると、もうレジンモデルに手を出すしかなくなりますからね。

これらのパーツで影が薄いけれど、サイドエアインテークの縁はシャープなんですよね。
ここは別に強度の問題が発生しない部分なのでしょうね。



はい、そしてホイール&タイヤです。
けっこういけてる感じ。
というか、これ実は同時期に造ったモデル全部が同じようなのです。
ブラゴの比較のページで載せた
レッドブル(2015)とメルセデス(2014)のブラゴ製のホイールが
今回のフェラーリと同じなのです。
コストを抑える為の策なのでしょう。
まぁ酷い造形じゃないのまぁマシですね。




このあたりは特に不満な部分はないですね。
曲面もプリントで綺麗に処理されています。
デカールではないので、それほど細かいロゴは表現できないでしょうが
色の劣化を心配しないで済むでしょうから考えようによっては良い点かと。
今はタバコロゴが絡まないので、貼り変える必要がそもそもないので十分です。
そしてやはりこのボディの色は綺麗です。
マシン下側の黒い部分と全体の赤い部分の境目になる白いラインも印刷。
オール印刷
フロントウイングの白い斑点塗り(笑)も印刷にしてくれたら良かったのかも?!


ここまで色々載せてみたので、
2015年のこのブラゴ製
2014年のマテル製を並べてもう少し比較しちゃいましょう

ミニチャンプスのレッドブル( 2012 & 2013 )にも登場してもらいます



画像の中の矢印のパーツ、サイドポンツーンをアーチのように覆う(ただしサイドのみ)整流パーツですね。
2009年にマシンがスッキリしたハズなのに、いつのまにかこの部分だけゴテゴテ色々と取り付けられ始めたんですよね。
名前知らなくて申し訳ないです。
これをフェラーリでみてみましょう。



衝撃の事実です。
なんと、ミニチャンプスを基準にした場合、ブラゴは 3 〜 3.5 倍の厚さがあります。
そしてミニチャンプスとほぼ同価格のマテルのはなんと 4 倍ほどの厚みがあるのです。
つまりこのパーツに関しては、マテルが酷いのです。
ブラゴの方がまだマシなんです。
マテルは10年以上フェラーリの1/43を作ってきたメーカーなんですよ。
一方ブラゴは子供用として作り始めたメーカーなのに。
価格を考えると、全ての面でマテルがブラゴを圧倒しなくてはいけないのでは?
しかも子供用相手なんだから。

さて、続けてみましょう。



これは2014年のマテル製のリアウイングです。
これはミニチャンプスとの比較はしません(笑)
ミニチャンプスはデカールがそんなに劣化しないので、
かつてのカルトグラフ社のデカールを今も使っているのかな?と。
一方マテルのはこのように、ロゴの周りが既に黄ばみだしています。
2年弱でこんなに黄ばんじゃうってのはなぁ、と悲しくなります。
ミニチャンプスと違って、マテルミニカーに使用されているデカールはあまり信用していません。
実際に黄ばんでいるのですから。
(どこが作ってるデカールなんだろう?)
もちろん普段は光の当たらない暗所で保存しているのですよ。



これは今回の2015年のブラゴ製モデル
さすがは子供用だけあって、DRS用のパーツの分厚いというか太いというか(爆笑)
デカールじゃないので、黄ばみが発生しないというメリット。
ただしこのタンポ印刷では印刷精度が低くてご覧の通り。
まぁ小さい部分なのでそんなに気にしないで済むのが不幸中の幸いでしょうか。

両者のそれぞれのパーツの酷い面がでているので、画像は無駄なくらい大きめにしてみました。

 
少し角度をかえてみましょう。
後ろに不自然なものが写ります。



徹底したタンポ印刷になっているブラゴ製ですが、リアウイング翼端板の裏側はなんと
ロゴのシールを貼っていたんです。
シールって…ガンプラかいな。
ガンプラも水転写のデカールがディティールアップ用に別売りされてるんですよ。
(僕ガンプラも凄く好きで、何体かは全塗装して作ったことがあるので。)

リアウイングに関してはパーツの再現精度は、評価にすら値しないレベルですねぇ。
デカールではない分、黄ばみが発生しないことだけが評価ポイントでしょうか。
ただし、子供用玩具ゆえ細かいパーツの存在が許されないことと
価格を考えると致し方ないポイントと受け入れていますが。

リアウイングを評価してついでにフロントウイングも評価してみましょう
既に厳しいことばかり書いちゃってるフロントウイングですが。



マテルとブラゴのフロントウイング、並べて見るのが手っ取り早いですよね。
まず色、ブラゴのは黒い部分が多すぎて違うマシンの部品を見ているようです。
例の斑点塗りは何の役にもたっておらず、汚れてるだけにしか見えません。
そしてウイングエレメントを支えたり、仕切ったりしている部品の再現が甘い。
団子をのせたようになっているので、マテルのウイングが優秀に見えてしまうではありませんか(笑)
ただしパーツの分厚さに関してはマテルもブラゴも悪い意味で互角。
もしミニチャンプスのもじっくり見てみる場合は
レッドブルの2013年モデルや
2012年モデルのロータス数種類のページを改めてご覧下さい。
ミニチャンプスモデルのフロントウイングはただただ素晴らしいと言えますから。

それはそうと、なにかブラゴのはウイング全体が少し小さい気が…。



ウイングが小さい理由はコレだったんですね。
ブラゴのはウイングをネジ止めで固定して強度をつけている為に、
ねじ穴の影響で位置が高くならざるを得ません。
そのままの大きさのを位置をあげるとバランスが悪くなると思ったのか、
奥行きをかなり小さく、横幅もほぼそのまま、あと各パーツの高さのようなものも小さくとサイズを絞って、
位置が高くなったのをカバーしていると見てもいいでしょうか。
ですから、残念ながらミニチャンプスのようにフロントウイングを見て楽しむのは無理でしょうね。
前後のウイングは子供用の玩具としてはぶつけられる衝撃から守る必要があるとはいえ…厳しい現実です。



次にこれは正解がわからない部分
アンダートレイ上のロゴです
デカールで表現した方が細かいレベルでできそうな気もします
がっ、マテルのこのモデルに関してはデカールなのに表現が粗い
もっと言えば雑。高価格のマテル製がこんなレベルなら意味無し。
そしてデカールが剥がれそうに浮いてしまってる

それならもうこのブラゴのようにタンポ印刷で十分、ってことになりません?
これなら浮く心配もないわけで、少なくとも再現レベルも互角ですから。

ただし



ライコネンのロータスモデルならどれでもですが、このようにミニチャンプスはタンポ印刷
マテルやブラゴと同じく、決して平面ではないカーボン表現がある面に
かすれもせず、しかもとても良い発色で、さらにはもっともっと細かいロゴが圧倒的に綺麗にタンポ印刷されています
究極の回答はミニチャンプスのが一番、なのですね(笑)
フェラーリの2モデルは2社ともレベルが低い。これは価格とかの問題じゃなく
それぞれの表現は3社の技術力の差でしかないように思います。

さぁ、今度も面白い結果になりました

まずは2014年のマテルモデルから



この色は僕は暗くて嫌いです。
がっ、この赤はメタリックを加えて、非常に細かく実車を目指したであろうという点は評価せねばならないですよね。
2008年頃のフェラーリは実車に対してあからさますぎる過剰なメタリック表現で安っぽいモデルになっていましたから。
これくらいのメタリック表現が1/43でベストではないでしょうか。
ただし色が暗いことは嫌いだと、僕は再度コメントを。

そして全体のロゴはいずれもデカール表現
下地が赤い(さらにはメタリックであるので尚更)黄ばみなどは目につかないです。(たぶんわずかに黄ばんでるハズですが)
カウルには割れ目があるので、そこをデカールでまたぐので、ロゴがグチャグチャにならないのは大きなメリットだと思います。
しかし、一方で、サイドポンツーンの 『 ups 』 の黄色が黒いドットで濃さを調整してるように見えるのは解せません。
これって色そのものの調整できなかったのでしょうか?
あとカウル上部のフェラーリエンブレムの三色ライン(緑赤白)が黒一色になってるのは情けない限りです。デカールなんですよ?
オンボードカメラの黄色塗装(タンポ印刷?)も面積で不満が残ります。

続いて2015年のブラゴモデルを



赤が明るい!
これだけで全体の見栄えが圧倒的に良いです。
実車もTVでは明るく見えるので、あまり暗いとリアルとは言えないです。
マテルのでは黒いドットで色を調整されていた 『 ups 』 も、こちらではしっかり色が調整されていて良い出来だと思います。
そしてスクーデリア・フェラーリのエンブレム部分に関しては
タンポ印刷のデメリットである「溝(割れ目)をまたぐ」で見事に白いラインが一部つぶれてしまっていますね。
ここに関しては見栄えが厳しいものになっていると言わざるを得ません。
しかし、盾型エンブレム上の三色ラインはデカールで表現していた方が黒だけという落第レベルの表現だったのに対して、
このブラゴ製は緑も白もちゃんと表現されています(赤は下地と同じ色なので無理)。
なので、溝をまたぐところで大失敗はしていますが、全体が曲面で大きく曲がったところも綺麗にクリアして、
しかも必要な色をちゃんと揃えて表現したブラゴ製の方を僕は評価しますね。
実際見栄えがこっちの方がかなりいいです
マテルの方が明らかに酷い。
ただタンポ印刷の限界か、あるいはコストの限界でカットか、小さい小さいロゴはいくつか省略されていることはチョコ〜っと残念ですけどね(笑)

最後にタイヤ、いっっっっっっっちゃいましょう

まずリアタイヤ



以前に2014年フェラーリモデルの時に書きましたが、やはりあり得ません
マテルの中央が凹んでいるタイヤは、レーシングマシンのタイヤとは認めません。
サイズが同じでもマテルのはタイヤとして見えないんです。

次にフロントタイヤ



同じく中央が凹んでいるというマテルのタイヤは論外
しかもマテルのはフロントとリアのタイヤ幅が同じ

現代のF1マシンのタイヤサイズ規定を無視してるのはなぜ?
ライコネンが復帰する前のアロンソ時代のは買ってないから知りませんが、こんなタイヤをよく装着したねと。
この個体だけじゃなく、他の個体もそうだったので、エラー品ではないハズです。
これだけで、他の面が高評価だったとしても(実際は全然違うけど)、このタイヤで台無し
そう言っても良いくらい、レーシングカーのミニカーとして失格なのがマテル

逆に言えば、この面(タイヤがまともというブラゴ)の影響が大きいのでブラゴの見栄えがものすごく良いんです。
もしマテルのタイヤが普通にまともであったならば、もっとブラゴへの目が厳しくなったのかも知れません。
既にある流れを考えたら、ある意味「ありがとうマテル」
「おかげでマテルモデルへ全く未練が残らずに済んだよ」と言うところでしょうか(笑)

とまぁ色々書きましたが、マテルのままで1万円越えのミニカーで
いつものマテルクオリティだったら?と考えた場合
僕はハッキリ言って今回のブラゴ製で十分と思いました。
ミニチャンプスクオリティならまた答えもかわりますが、
現状あり得ないので、このブラゴ製でいいです。

8800円の2014年マテルモデル1300円の2015年ブラゴモデル
僕はブラゴを選びます。



ただし、2016年のフェラーリは白い部分も多く
色の再現という面では全体が若干複雑になるので、
もしかするとかなりボディ全体へも不満が増えちゃうかも(汗)